2019年3月9日(土)…晴れ
第12番 焼山寺(しょうざんじ)への山道を、いま登り中です。
10:58
浄蓮庵(じょうれんあん) 左右内の一本杉 標高745地点です。
稀にみる一株の杉の巨木。
お大師様が木の根元で仮眠していたところ、
夢に阿弥陀如来が出てきたので尊像を刻み、お堂を建てた。
その際、お手植えした杉なんじゃないかという伝説がある。
お手植えかどうかはわかりませんが、すごく清々しかったです。
ここで、お昼のおむすびを食べてもよかったけど…
まだ、山『登り』があるので、気持悪くなったら困るので、
ぐっとがまんをして進みました。
青い人Yさんは、ここで昼休憩をするみたいでした。
左 お大師様から向かって左に(ないと言われていたけど)WC発見!
右 以前は建物併設の便所があった様ですが……残骸化されてました、無念…
ここは整備すれば、いい休憩所になりそうなのに……
もし私が、遍路道整備に巨額を投じる権利を得たら、
このルート上に、屋根がある休憩所とバイオWCを設置すると思いましたね。
思うだけなら無料です。(笑)
この一本杉がある標高745から、集落のある標高450まで、
またいっきに下ります。
山を、ずっと登るなら登るでいいのですが、
登り、下り、登り……を繰り返すルートは、
正直しんどい……
そんな風に言われている、
焼山寺へんろころがし、らしいです。
集落が見えてきました
ここまで下りだったせいか、青い人Yさんが追いついてきました。
Yさんは、登りが苦手なのか遅めだけど、
他は私より早く歩けるみたいです。
結果、抜きつ抜かれつになり、ほぼ同じペースになる様でした。
歩き遍路は左 車遍路は右の地点
ここで、歩き遍路道と車道を間違う人がいるのだとか……
日本人でも間違うのだから、青い人Yさんは……と思い、これを撮りながら、
それとなーく待って、私が左に入るのを見てもらったところで歩き出しました。
私も初めて通るので、くわしいわけでも何でもないのにね。(笑)
ここも左へ 右に行くと行きどまり
注意深く見れば、そう書いてあるんですが……
漢字圏の人はまだわかるかもしれないけど、
欧米の人は、日本語表記だけの道標のところでも、
よく判断できてるなぁと思いました。
老婆心まんまんの私は、ここでも青い人Yさんを待って…
ここの花を撮るから、お先にどうぞ…というテイで、
青い人Yさんに追い越してもらいました。
左 梅? 桃…桜?? 右 青い人が先に行った遍路道
ここからまた、標高400から700へいっきに登るのです。
登りが得意ではないっぽい青い人Yさんは、
後ろに人がいたらプレッシャーというか、
私が邪魔だろうと思ったのですが、
結局、追いついて、追い越してしまうことに……
その際、カタコト英語とスコシ日本語とジェスチャーで、
お互い名乗ったり、
今日の宿が同じだとかの会話をしたのでした。
12:40 焼山寺駐車場付近
焼山寺の圏内に入った様ですが……
山門を見るまでは安心できません。
着いたー?! と、ぬかよろこびしたくありませんからね。(笑)
事実、この駐車場付近から山門迄、結構、距離はありました。
12:50 焼山寺山門
7:20に出発したとして、12:50着…
私がかかった時間は、5時間30分でした。
健脚5時間、平均6時間、女性7時間…という目安があるそうで、
私の試算では13:30頃到達だったので、
40分も早く着けたことに驚き。
精神的にしんどかった為、がんばって早く歩いたわけでもないのに、
なんかよくわかりませんでしたが……
ここのお大師様は厳しめ(お顔)
第12番 焼山寺(しょうざんじ)です。
しかし、納経に進む余裕はなく、まずはお手洗い、
そして、先に昼飯としました。
私の信仰心、こんなものです 三3
13:04 まずは昼食
左 おにぎり あたたまりますか? 右 中はこんぶと梅でした
日なたの石の上に置いたら、
おにぎりが温まるかと思ったんですが、
焼け石に水状態でした。(ぜんぜん温かくならない(笑))
休憩時は靴を脱ぐ様にしております。
お行儀悪くて申し訳ないですが、
足指のコンディションを保つ為です。
因みにこの時は、
賛否両論・五本指靴下に、ふつうの靴下重ね履きでした。
足指のトラブルなし。
朝、馬油を塗っていたのが功を奏した気もします。
ここでお昼を食べました 複数のバックパックが…いつの間に(笑)
邪魔にならない場所で昼食を。
これは後で撮ったのですが、
昼食中は誰もいなかったのに、戻ってきたら、
歩き遍路の本部みたいになっていました。(笑)
食堂あり 昼食はここでも調達できる! 田舎うどん…食べたかった~
先出のお大師様の杉のある浄蓮庵で、おむすびを食べて、
ここでうどんを食べた……という方もいらっしゃいました。
いいなぁ、それ。
味はどうでしたか?と、尋ねましたところ……
別にふつうのうどんだったそうです。(笑)
13:33 焼山寺本堂
本堂 ご本尊 虚空蔵菩薩
ご真言が…
「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか」
これを細い毛筆でしたためられており、
読めないし、発音できないし、大苦戦でした。
写経を納める場合でも、ご真言だけは唱えることにしているので。
『自分供養』という大事な願いがあるので、何とか読もうと必死。(笑)
大師堂
お寺の敷地内に、神社がありました。
何処の神社も由緒書きがあるものですが、どういうわけかここはなくて、
こんな古いし立派な神社にないのは変だなと思って、
帰宅後に調べたところ、
十二社神社 創立年代不明、
記録が火事で焼けたという記録があるみたいです。
どこ見てるのー
ホームで電車待ち とか?
こんな狛様たちは珍しい、かわいいと思って、撮影^^
霊感があればなぁ……
何の神様がいらっしゃるか、わかるのに……
三面大黒天 小槌がイイ
実は、こちらは焼山寺の見どころの三面大黒天、
中央:大黒天 右:毘沙門天 左:弁財天
というありがたい像があり、
日本三体のひとつ(他の二体は焼失)だったそうです。
が、私は、
『なんか雰囲気ある♪ あの小槌がイイ^^』ぐらいしか考えておらず、
まぁ、私の信仰心こんなもの……でしょうね。
14時には焼山寺を出ようと決めてたので、出ます 三3
ここは車でガーッと来られるお寺で、
歩きの人が少ないせいか、
何処からどう降りたらいいのかわからず、
納経所へ引き返して尋ねました。
青い人Yさんはわかったかなぁ……と、
後ろをふり返り見ると、
つかず離れずの場所をついて歩いて来ていたので、ほっ。(笑)
左 この道下りる 右 青い人Yさんは下りがとても速いw
焼山寺の真下、ここは『THE☆歩き遍路の山道』の片鱗があります。
ここ、覚えておいてください。後で出ます。試験には出ません、多分。
14:34 うめぼし
そう、うめぼし……じゃない、ここは杖杉庵(じょうしんあん)です。
遍路の元祖、衛門三郎・終焉の地…にして、
お大師様にようやく出逢えた地だそうです。
衛門三郎にいい印象がなく、この話も懐疑的に思っていたのですが……
お大師様を追って…21回目の逆打ちにしてようやく会えた衛門三郎
人として「よかったね」と、思ってしまいました。
不覚にも、まさかの涙が出そうに……
本当に21周もしたのか(回数は文献によって諸説あり?)、
最期にそんな都合よく会えたものかは微妙ですが、
追いかけまくったのは本当なのだろうから、それで叶ったのなら……
本人がそう認識できたのなら、
「よかったね」だと、思えたからです。。
左 衛門三郎の、この顔…! 右 それに対するお大師様の平然とした表情(笑)
いや、お大師様はこれでいいんだと思います。(・ω・)λ キリッ
左 これは新しく見るタイプ 右 四国遍路元祖衛門三郎の碑
ところで、うめぼし…と、あったのは。。
この下の斜面(谷?)が梅だらけでした。どおりで…^^
以降、第12番 焼山寺からの道を、下り中です。
車道をまたいだり、山の中の遍路道を下ったりしているうちに、
鄙びた温泉町風の谷間の集落に到達しました。
左 『お茶接待処』 不在の時はセルフでお願いします(原文まま)
右 こんなかわいい茶器でお接待くださるの?!
え~っ、いいの?
お接待所に自ら入って行くのはみっともない! と、
おっしゃる方もいらっしゃいますが、
私はそうは思わないので、ありがたく入ったりしますね。
ここは骨董…古道具屋さんかなぁ…? あいにくご不在でした。
しかし、3.8万円の値札のついた火鉢に置かれたやかんの中は、カラっ。
心と目の休憩をさせて頂いたので、エアお茶代(笑)と納め札を置いてきました。
おへんろ駅 それはWC
こんな山中に、いくつも集落などないだろうに、ふと不安になり、
なべいわ荘さんはこのまだ先か、バスの運転士さんに尋ねました。
うっかり通過していないかと思ったんですよね。
私は大丈夫でしたが……
うっかり通過する人は、実際にいた様です。これはまた、後の話。。
ここはお遍路業界(?)で有名だった、
すだち館さんがあったみたいなのですが……
この年のはじめに廃業されていました。
※ 2021年春確認 すだち庵というゲストハウスが出来ているそうです
最新情報が載ったサイトで知りましたが、
他にも、泊まる予定で電話をかけようとしていた宿が、
先月、閉館していたりと……
直前情報は見ておくべきですね。
なべいわ荘さん手前にある、山越えルートの入口。
ここを見落として通過し、
何㌔も先から引き返してきた方がおられた様です。
(私も遭遇し、お見かけしたのですが……)
私は明日、ここから入って山越えします。
が、この後……他の方は殆ど、
舗装路である神山町ルートを通るのだとわかり、驚きました。
えーっ、歩き遍路は、
こっちの山越えルートが一般的じゃないの~~?!
15:30
なべいわ荘 ※ 2020年廃業されたそうです
この宿を目前に……というか、川を挟んだ宿の真ん前で、
ワゴンカーに呼び止められました。
TV局のロケハンの人でした。
芸能人に歩き遍路させる企画があり、
雰囲気のいい道を探しているそう……
先出の、焼山寺の真下、
『THE☆歩き遍路の山道』の片鱗があると書いた場所、
あそこが手っ取り早いとお伝えしたのですが……
わからなかったかもなぁ。
(お互いに土地勘がなかった為)
そういうのをネットで探している方には、
ひとまず、オススメします。
いちばん手っ取り早いのは、自分で歩いて見ることでしょうけど。(笑)
そんなこんなで数分遅れで、宿に到着~
昨夕、旅館吉野さんから送った荷物も、
無事、届いていました^^
で、当然だとは思いますが、念の為に宿の人に尋ねました。
私 「ここから、荷物を送ることもできますよね?^^」
宿の人 「ここからは出せません」
ファッ…?!
ここでボーゼンとなりつつも部屋に入ると……
浴衣・タオルあり・テレビなし 一泊二食7000円
私が通されたのは一階の、女子WCが近くのお部屋で、
お手洗いが近いのがバレたのかベスト位置だな~と思ったのですが、
まさかのTVがなく、私だけが一階のお部屋でした。
しかし、二階はTVがある模様……
そのかわり壁が薄いのだとか。(同宿者の弁)
窓の外はモクレン?
あえて部屋にTVを置かない、秘境の宿…
ひと晩ぐらい、自然の音の中で過ごす体験もいい…
などという文言に賛同してきましたが、
いや、私はTVがないと快適に過ごせない!…ことが判明しました。
お遍路は明日の天気を見たり、
今日世間で起こった情報を知りたいので。
スマホでも何とか見れるけど、フリーwifiじゃないし。(泣)
そして、辺境過ぎて(失礼ですが…そういう理由で)、
荷物を送れないことが衝撃でした。
その為、明日は全荷物を抱えての山越えになるのです…!!
退屈で、寒いお部屋で、
1グラムでも軽くなる荷物の入れ方を調整したりして、
なかなか落ち着かない時間を過ごすことになるのでした。。
18時過ぎ 夕食
左 観光地でよく食べる川魚……温かければ、なおよかったのに(笑)
右 そば米汁というらしい。つぶつぶの米が入ってて、私、これ好きでした!^v^
(徳島名物らしく、徳島駅のお土産街でフリーズドライのそば米汁が販売されていたので買いました^^)
食堂には、青い人Yさんもいました。 それって東京女子さんも。
他、男性3人。
後から、遅く到着したオランダ人女性。
(聞けば、私が歩いた2日分を、今日1日で歩かれてました。凄っ!)
私は明日で区切り打ち、広島に帰るけど、
皆さんは当然というか、
このまま結願(けちがん)までゆくのだそうです。
装備も本格的だし、心構えが違うというのは当然でしょうか……
その中で私は、『なんとなく歩き遍路』みたいなかんじです。
雰囲気はいいのに激寒だった食堂 ストーブはあるけど点火しない仕様…
【2019年3月9日(土)】 晴れ
徳島の気温 最高16.6℃平均9.5℃
…これは街中の気温で、山中はもっと寒かったです!
歩いた距離 山中につき計測不能…
7:10 出発~ 7:20 十一番 藤井寺登山口~12:50 十二番 焼山寺
14:34 杖杉庵 15:30 なべいわ荘
明日につづきます。。