ナユミマ☆四国遍路の旅

1回目【第55~52番逆打ち】、2回目【第44~51番】 3回目に徳島【第1番~】区切り打ち開始☆

徳島4日目② 第12番 焼山寺~なべいわ荘

 

 2019年3月9日(土)…晴れ

 

  第12番 焼山寺(しょうざんじ)への山道を、いま登り中です。

  

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 10:58  

 浄蓮庵(じょうれんあん) 左右内の一本杉 標高745地点です。

 

 稀にみる一株の杉の巨木。

 お大師様が木の根元で仮眠していたところ、

 夢に阿弥陀如来が出てきたので尊像を刻み、お堂を建てた。

 その際、お手植えした杉なんじゃないかという伝説がある。

 by 徳島県神山町教育委員会

 

 お手植えかどうかはわかりませんが、すごく清々しかったです。

 

 ここで、お昼のおむすびを食べてもよかったけど…

 まだ、山『登り』があるので、気持悪くなったら困るので、

 ぐっとがまんをして進みました。

 青い人Yさんは、ここで昼休憩をするみたいでした。

 

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  お大師様から向かって左に(ないと言われていたけど)WC発見!

  以前は建物併設の便所があった様ですが……残骸化されてました、無念…

  

 ここは整備すれば、いい休憩所になりそうなのに……

 もし私が、遍路道整備に巨額を投じる権利を得たら、

 このルート上に、屋根がある休憩所とバイオWCを設置すると思いましたね。

 思うだけなら無料です。(笑)

 

 この一本杉がある標高745から、集落のある標高450まで、

 またいっきに下ります。

 

 山を、ずっと登るなら登るでいいのですが、

 登り、下り、登り……を繰り返すルートは、

 正直しんどい……

 そんな風に言われている、

 焼山寺へんろころがし、らしいです。

 

  

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 集落が見えてきました

 

 ここまで下りだったせいか、青い人Yさんが追いついてきました。

 Yさんは、登りが苦手なのか遅めだけど、

 他は私より早く歩けるみたいです。

 結果、抜きつ抜かれつになり、ほぼ同じペースになる様でした。

 

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 歩き遍路は左 車遍路は右の地点

 

 ここで、歩き遍路道と車道を間違う人がいるのだとか……

 日本人でも間違うのだから、青い人Yさんは……と思い、これを撮りながら、

 それとなーく待って、私が左に入るのを見てもらったところで歩き出しました。

 私も初めて通るので、くわしいわけでも何でもないのにね。(笑)

 

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 ここも左へ 右に行くと行きどまり 

 

 注意深く見れば、そう書いてあるんですが……

 漢字圏の人はまだわかるかもしれないけど、

 欧米の人は、日本語表記だけの道標のところでも、

 よく判断できてるなぁと思いました。

 老婆心まんまんの私は、ここでも青い人Yさんを待って…

 

 

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 ここの花を撮るから、お先にどうぞ…というテイで、

 青い人Yさんに追い越してもらいました。

 

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 左 梅? 桃…桜??  右 青い人が先に行った遍路道

 

 ここからまた、標高400から700へいっきに登るのです。

 

 登りが得意ではないっぽい青い人Yさんは、

 後ろに人がいたらプレッシャーというか、

 私が邪魔だろうと思ったのですが、

 結局、追いついて、追い越してしまうことに……

 

 その際、カタコト英語とスコシ日本語とジェスチャーで、

 お互い名乗ったり、

 今日の宿が同じだとかの会話をしたのでした。

 

 

 f:id:nayumimahenro:20190331130049j:plain 12:40 焼山寺駐車場付近

 

 焼山寺の圏内に入った様ですが……

 山門を見るまでは安心できません。

 着いたー?! と、ぬかよろこびしたくありませんからね。(笑)

 事実、この駐車場付近から山門迄、結構、距離はありました。

 

 

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 12:50 焼山寺山門

 

 7:20に出発したとして、12:50着…

 私がかかった時間は、5時間30分でした。

 

 健脚5時間、平均6時間、女性7時間…という目安があるそうで、

 私の試算では13:30頃到達だったので、

 40分も早く着けたことに驚き。

 精神的にしんどかった為、がんばって早く歩いたわけでもないのに、

 なんかよくわかりませんでしたが……

 

 

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 ここのお大師様は厳しめ(お顔)

 

 第12番 焼山寺(しょうざんじ)です。

 

 しかし、納経に進む余裕はなく、まずはお手洗い、

 そして、先に昼飯としました。

 私の信仰心、こんなものです 三3

 

 f:id:nayumimahenro:20190331153434j:plain 13:04 まずは昼食

  

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 左 おにぎり あたたまりますか? 右 中はこんぶと梅でした

 

 日なたの石の上に置いたら、

 おにぎりが温まるかと思ったんですが、

 焼け石に水状態でした。(ぜんぜん温かくならない(笑))

 

 休憩時は靴を脱ぐ様にしております。

 お行儀悪くて申し訳ないですが、

 足指のコンディションを保つ為です。

 

 因みにこの時は、

 賛否両論・五本指靴下に、ふつうの靴下重ね履きでした。

 足指のトラブルなし。

 朝、馬油を塗っていたのが功を奏した気もします。

 

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 ここでお昼を食べました 複数のバックパックが…いつの間に(笑)

 

 邪魔にならない場所で昼食を。

 これは後で撮ったのですが、

 昼食中は誰もいなかったのに、戻ってきたら、

 歩き遍路の本部みたいになっていました。(笑)

 

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 食堂あり 昼食はここでも調達できる! 田舎うどん…食べたかった~

 

 先出のお大師様の杉のある浄蓮庵で、おむすびを食べて、

 ここでうどんを食べた……という方もいらっしゃいました。

 いいなぁ、それ。

 味はどうでしたか?と、尋ねましたところ……

 別にふつうのうどんだったそうです。(笑)

 

 

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 13:33 焼山寺本堂

 

 本堂 ご本尊 虚空蔵菩薩

 

 ご真言が…

 「のうぼう あきゃしゃ きゃらばや おん ありきゃ まりぼり そわか」

 

 これを細い毛筆でしたためられており、

 読めないし、発音できないし、大苦戦でした。

 写経を納める場合でも、ご真言だけは唱えることにしているので。

 『自分供養』という大事な願いがあるので、何とか読もうと必死。(笑)

 

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 大師堂

 

 

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 お寺の敷地内に、神社がありました。

 何処の神社も由緒書きがあるものですが、どういうわけかここはなくて、

 こんな古いし立派な神社にないのは変だなと思って、

 帰宅後に調べたところ、

 十二社神社 創立年代不明、

 記録が火事で焼けたという記録があるみたいです。

 

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 どこ見てるのー

 

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 ホームで電車待ち とか?
 

 こんな狛様たちは珍しい、かわいいと思って、撮影^^

 霊感があればなぁ……

 何の神様がいらっしゃるか、わかるのに……

  

 

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 三面大黒天 小槌がイイ 

 

 実は、こちらは焼山寺の見どころの三面大黒天、

 中央:大黒天 右:毘沙門天 左:弁財天 

 というありがたい像があり、

 日本三体のひとつ(他の二体は焼失)だったそうです。

 

 が、私は、

 『なんか雰囲気ある♪ あの小槌がイイ^^』ぐらいしか考えておらず、

 まぁ、私の信仰心こんなもの……でしょうね。

 

 14時には焼山寺を出ようと決めてたので、出ます 三3

 

 ここは車でガーッと来られるお寺で、

 歩きの人が少ないせいか、

 何処からどう降りたらいいのかわからず、

 納経所へ引き返して尋ねました。

 

 青い人Yさんはわかったかなぁ……と、

 後ろをふり返り見ると、

 つかず離れずの場所をついて歩いて来ていたので、ほっ。(笑)

 

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  この道下りる 右 青い人Yさんは下りがとても速いw

 

 焼山寺の真下、ここは『THE☆歩き遍路の山道』の片鱗があります。

 ここ、覚えておいてください。後で出ます。試験には出ません、多分。

 

 

 f:id:nayumimahenro:20190331163826j:plain 14:34 うめぼし

 

 そう、うめぼし……じゃない、ここは杖杉庵(じょうしんあん)です。

 

 遍路の元祖、衛門三郎・終焉の地…にして、

 お大師様にようやく出逢えた地だそうです。

 衛門三郎にいい印象がなく、この話も懐疑的に思っていたのですが……

 

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 お大師様を追って…21回目の逆打ちにしてようやく会えた衛門三郎 

 

 人として「よかったね」と、思ってしまいました。

 不覚にも、まさかの涙が出そうに……

 

 本当に21周もしたのか(回数は文献によって諸説あり?)、

 最期にそんな都合よく会えたものかは微妙ですが、

 追いかけまくったのは本当なのだろうから、それで叶ったのなら……

 本人がそう認識できたのなら、

 「よかったね」だと、思えたからです。。

 

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 左 衛門三郎の、この顔…! 右 それに対するお大師様の平然とした表情(笑)

 

 いや、お大師様はこれでいいんだと思います。(・ω・)λ キリッ

 

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 左 これは新しく見るタイプ 右 四国遍路元祖衛門三郎の碑

  

 ところで、うめぼし…と、あったのは。。

 

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 この下の斜面(谷?)が梅だらけでした。どおりで…^^

 

 以降、第12番 焼山寺からの道を、下り中です。

  

 車道をまたいだり、山の中の遍路道を下ったりしているうちに、

 鄙びた温泉町風の谷間の集落に到達しました。

 

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 左 『お茶接待処』 不在の時はセルフでお願いします(原文まま)

 右 こんなかわいい茶器でお接待くださるの?!

 

 え~っ、いいの?

 

 お接待所に自ら入って行くのはみっともない! と、

 おっしゃる方もいらっしゃいますが、

 私はそうは思わないので、ありがたく入ったりしますね。

 ここは骨董…古道具屋さんかなぁ…? あいにくご不在でした。

 

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 しかし、3.8万円の値札のついた火鉢に置かれたやかんの中は、カラっ。

 

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 心と目の休憩をさせて頂いたので、エアお茶代(笑)と納め札を置いてきました。

 

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 おへんろ駅 それはWC

 

 こんな山中に、いくつも集落などないだろうに、ふと不安になり、

 なべいわ荘さんはこのまだ先か、バスの運転士さんに尋ねました。

 うっかり通過していないかと思ったんですよね。

 

 私は大丈夫でしたが……

 うっかり通過する人は、実際にいた様です。これはまた、後の話。。

 

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 ここはお遍路業界(?)で有名だった、

 すだち館さんがあったみたいなのですが……

 この年のはじめに廃業されていました。

 

 ※ 2021年春確認 すだち庵というゲストハウスが出来ているそうです

 

 最新情報が載ったサイトで知りましたが、

 他にも、泊まる予定で電話をかけようとしていた宿が、

 先月、閉館していたりと……

 直前情報は見ておくべきですね。

 

blog.iyohenro.jp

 

 

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 なべいわ荘さん手前にある、山越えルートの入口。

 ここを見落として通過し、

 何㌔も先から引き返してきた方がおられた様です。

 (私も遭遇し、お見かけしたのですが……)

 

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 私は明日、ここから入って山越えします。

 が、この後……他の方は殆ど、

 舗装路である神山町ルートを通るのだとわかり、驚きました。

 えーっ、歩き遍路は、

 こっちの山越えルートが一般的じゃないの~~?!

 

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 15:30 

 

 なべいわ荘 ※ 2020年廃業されたそうです

 名西郡神山町下分字鍋岩65ー2

 

 この宿を目前に……というか、川を挟んだ宿の真ん前で、

 ワゴンカーに呼び止められました。

 TV局のロケハンの人でした。

 芸能人に歩き遍路させる企画があり、

 雰囲気のいい道を探しているそう……

 

 先出の、焼山寺の真下、

 『THE☆歩き遍路の山道』の片鱗があると書いた場所、

 あそこが手っ取り早いとお伝えしたのですが……

 わからなかったかもなぁ。

 (お互いに土地勘がなかった為)

 

 そういうのをネットで探している方には、

 ひとまず、オススメします。

 いちばん手っ取り早いのは、自分で歩いて見ることでしょうけど。(笑)

 

 そんなこんなで数分遅れで、宿に到着~

 

 昨夕、旅館吉野さんから送った荷物も、

 無事、届いていました^^

 で、当然だとは思いますが、念の為に宿の人に尋ねました。

 

 私 「ここから、荷物を送ることもできますよね?^^」

 宿の人 「ここからは出せません」

 

 ファッ…?!

 ここでボーゼンとなりつつも部屋に入ると……

 

 

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 浴衣・タオルあり・テレビなし 一泊二食7000円

 

 私が通されたのは一階の、女子WCが近くのお部屋で、

 お手洗いが近いのがバレたのかベスト位置だな~と思ったのですが、

 まさかのTVがなく、私だけが一階のお部屋でした。

 

 しかし、二階はTVがある模様……

 そのかわり壁が薄いのだとか。(同宿者の弁)

 

 f:id:nayumimahenro:20190401132101j:plain 窓の外はモクレン

 

 あえて部屋にTVを置かない、秘境の宿…

 

 ひと晩ぐらい、自然の音の中で過ごす体験もいい…

 などという文言に賛同してきましたが、

 いや、私はTVがないと快適に過ごせない!…ことが判明しました。

 

 お遍路は明日の天気を見たり、

 今日世間で起こった情報を知りたいので。

 スマホでも何とか見れるけど、フリーwifiじゃないし。(泣)

 

 そして、辺境過ぎて(失礼ですが…そういう理由で)、

 荷物を送れないことが衝撃でした。

 その為、明日は全荷物を抱えての山越えになるのです…!!

 

 退屈で、寒いお部屋で、

 1グラムでも軽くなる荷物の入れ方を調整したりして、

 なかなか落ち着かない時間を過ごすことになるのでした。。

 

 

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 18時過ぎ 夕食

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 左 観光地でよく食べる川魚……温かければ、なおよかったのに(笑)

 右 そば米汁というらしい。つぶつぶの米が入ってて、私、これ好きでした!^v^

  (徳島名物らしく、徳島駅のお土産街でフリーズドライのそば米汁が販売されていたので買いました^^)

 

 食堂には、青い人Yさんもいました。 それって東京女子さんも。

 他、男性3人。

 後から、遅く到着したオランダ人女性。

 (聞けば、私が歩いた2日分を、今日1日で歩かれてました。凄っ!)

 

 私は明日で区切り打ち、広島に帰るけど、

 皆さんは当然というか、

 このまま結願(けちがん)までゆくのだそうです。

 装備も本格的だし、心構えが違うというのは当然でしょうか……

 その中で私は、『なんとなく歩き遍路』みたいなかんじです。

 

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 雰囲気はいいのに激寒だった食堂 ストーブはあるけど点火しない仕様…

 

  

 【2019年3月9日(土)】 晴れ

 徳島の気温 最高16.6℃平均9.5℃ 

 …これは街中の気温で、山中はもっと寒かったです!

 歩いた距離 山中につき計測不能

 7:10 出発~ 7:20 十一番 藤井寺登山口~12:50 十二番 焼山寺 

 14:34 杖杉庵  15:30 なべいわ荘

   

 明日につづきます。。